あいさつ表現の通言語的研究

 管理者は、これまで「日本語あいさつ表現」の研究に携わってきました。

 今後、「日本語あいさつ表現」の研究成果をもとに、他言語のあいさつ表現の研究に着手していく予定です。

 現在は、科研費基盤研究(C)「日台あいさつ表現変化モデル構築に関する研究」(R2~6年度)として、支援を受けて展開しております。

 本ページではその研究成果について公開しています。

(2020年4月 中西太郎)

 

台湾におけるあいさつ表現と日本語あいさつ表現の対照研究

●食飽未(ご飯食べたか?)は挨拶表現か-日台感動詞の比較の観点から-(中西太郎・林青樺)(2017年12月)

 

 『感動詞ワークショップ』(2017年12月 於県立広島大学)における発表内容です。

 本発表では、台湾語の出会いの表現を対象にし「食飽未?(ご飯食べた?)」などの表現が、挨拶としての定型性を持つのかを検証しました。日本語の挨拶表現の定型性の判断基準で検証を行い、「食飽未」が準定型の挨拶表現だということ、「敖早」など、他の出会いの表現も含め定型性のスケール上に位置付けられることを示しました。さらに表現内容に注目して「食事尋ね」の表現がアジアを中心に分布していることを明らかにし、あいさつ類型論の手法を示しました。


●あいさつ表現の言語類型論に向けて:日台あいさつ表現の比較を通して(2018年12月)

 

 東北大学 大学院文学研究科 / 文学部 言語学シンポジウム『発話行為のダイナミズムー方言・歴史・文化ー』(2018年12月 於東北大学)における発表内容です。

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あいさつ表現の言語類型論に向けて:日台あいさつ表現の比較を通して(中西).pdf
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友定賢治編(2022)『感動詞研究の展開』ひつじ書房

 

中西太郎・林青樺「あいさつ表現の言語類型論に向けて—日台あいさつ表現の比較を通して」p.307~p.326

 

 台湾における出会いの表現を対象にし「吃飯了嗎(ご飯食べた?)」などの表現が、挨拶としての定型性を持つのかを検証した。日本語の挨拶表現の定型性の判断基準で検証を行い、「吃飯了嗎」が準定型の挨拶表現だということ、「敖早」「食飽未?」など、他の出会いの表現も含め定型性のスケール上に位置付けられることを示した。そして本稿の取り組みを通して、アジアを中心に分布する「食事尋ね」の表現を定型性の観点で比較する視点を確立し、あいさつ類型論の手法を示した。


●あいさつ表現の通言語的研究―定型化と変異―(2023年3月)

 

 社会言語科学会第47回研究大会 招待発表(2023年3月 於東京国際大学)における発表内容です。